幻猫斎のごつ　リターンズ

Kanon第１話
不評だった東映版から何年経ったろう…
自分としては
『こんなもんだろうなぁ』
と思っていたのでさほど批判的な意見は持っていない。

確かに､シナリオの展開が違った。
真琴のラストも違う。
でも、しっかりと落としたと思う。
一応着地はしたと思う。
Ｋａｎｏｎの言いたい事､伝えようとしたと思う。
やり切れてなかったけど。

でも…
あんな､真琴のラストも悪くないと思った
ホントはあの丘でブーケをかぶる真琴で終わって欲しい。
でも､それじゃ真琴ルートになってしまう。
あくまでもあのアニメではあゆがメインヒロイン…
でも真琴にもちょっとだけでも幸せを感じて欲しい。
不幸なだけで逝ってしまうのは悲しすぎる。

舞先輩も名雪も同じく幸せになって欲しい…
悲しい終わりは要らない。
観たくない…

そう､そういう事なのだ。
この手の作品のアニメ化における最大の問題。


特にＫｅｙ作品には捨てキャラが居ない。
全てのキャラが必要で､贅肉テキストが無い。
更にテキスト量が多い。
よって中途半端な期間では再現出来ない。
こう言った時間的な問題も生じてくる。
放映話数､製作期間など様々な時間の問題…

因みに…
最新作『ＣＬＡＮＮＡＤ』は
ＰＣ版のノンボイスプレイ…
つまりテキストリードのみで進めても
60時間を超えるプレイ時間となる。
共通ルートを端折る事を加味したとしても
45～50時間掛かる事になる。
て事は､アニメの話数にすると
100話…っておい､一年で終わらないんかい!
丸々2年は掛かる事になるのだ。
まず現実問題不可能に近い…と思う。
(でももうアニメ化の話は出てるんだよね…京アニじゃないけど)

さて､話は多少ずれたが…
それ位アニメ化は難しいのだ。
それをやった東映､京アニは賞賛すべき会社と思う。
『完成度が低いものを見せられるならいらない…』
そんな輩も多いと思う。
うん、ならば見なきゃいい事。
選択権は君に在るのだから。

私自身、劇場版ＡＩＲに関しては批判的になってしまう。
だから、分かるんだけどね。
ＡＩＲって名前だけで､完全にアナザーストーリーに
なってるからね…あれは…

そんな劇場版を知ってか知らずか
本編に忠実なＡＩＲの映像化をやってのけたのが､
そう､今回のＫａｎｏｎを手掛ける京アニ。

ＴＶアニメ版ＡＩＲでを観たアニオタから
『神』と讃えられるほどに
京アニ版ＡＩＲの完成度は高かった。

というよりあれが真のＡＩＲ完全版と言っても
過言では無いと私は思っている。
Ｇａｍｅでは見えなかった所。
分からなかった事を再現してくれたのだから…

ＡＩＲで印象的な場所である堤防と学校の位置感､
堤防の高さ､そして観鈴ちんの転び方…
全て想像であったシーンが映像化されている。
この感動は言葉に表すのも不可能なほどの衝撃であった。

そして誰もが思った…
『京アニ版のＫａｎｏｎが観たい』と……

それはほとんど現実化される事は無いと思っていた。
他社とはいえＴＶアニメ化しているのだから…
でも､またもやそんな事関係無いかの如く発表されたのだった。
(考えれてみれば､映画でもドラマでもリメイクは茶飯事だしね…)

もちろん私は喜んだ。
と同時に不安もあった。
グラフィックの再現は問題ない。
サウンドも然り…
そう､やはりシナリオ面である。
確かにＡＩＲでは忠実に再現と言った意味では
ホント完璧だった､しかし…
3人と5人の違い。
単純にそれだけではない。
最悪ＡＩＲの場合3人がバラバラのお話であっても
シナリオの破綻は無い。
羽を持つ少女候補であれば…良い…
たとえ佳乃や美凪ルートクリアに行ったとしても､
観鈴のもとに帰ってくる事が出来るのである。

しかし…Ｋａｎｏｎに関してはそうは行かない。
誰かをハッピーエンドにすれば確実に不幸になる娘が居るのだ!
最悪､この世から居なくなってしまう娘も居る。
そこをどう落ち着かせるのか…

奇跡…
儚い夢とも思える願いを抱く少女5人…
5人全ての願いが叶うストーリーは無い…

京アニは､この落とし所をどう持ってきてくれるのか。
期待と不安が入り混じった思いで毎週木曜日25時を迎えたい。

願わくば5人にハッピーエンドを…